同業他社がどうするか見てから決めますという思考態度

2017年89日 随筆
信州上田之住人和親

今の日本人は、子供だけでなく大人も自分で考えていません。私が大学の就職委員長、25年間の経験からそのような典型的な例を目の当たりにしました。

4年前に就職倫理協定が、変わると予告されたとき、就職委員長の私は年間100社の人事担当者に会って、状況変化を説明し御社としてはどうするかと、各企業の就職担当者に、次のように聞きました。

101日解禁が今年から121日解禁、そして2年後には31日になりますが御社はどうしますか?」しかし、99社まで、「まだ何も考えておりません。同業他社がどうするか見てから決めます。」との回答でした。

どうするのが一番いいのか、みんな自分で考えず、みんな周りから答えが降ってくるのを待っていました。2年もの間、100社のうち99社までがこうでしたので、私は、これが、今日本の衰退する原因だと思いました。日本人は大の大人までが、人が決めたルールには、世界が称賛するくらい守るのに、自分でルールや規格を提案できないのです。日本の技術や規格がガラパゴス化する原因だと私は思っています。なぜ、自分たちで世界的な規格やルールを作って、世界に普及できないのか。それは、早くから自分の頭で考えて、それを周りに説得できるだけの努力を怠っているからです。子供だけの教育だけに矮小化してはいけません。日本人の大人自身の思考態度も改める必要が急がれます。



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