50年ぶりに映画「名もなく貧しく美しく」を見て
信州上田之住人
太田 和親
2011年5月8日随筆
実に50年ぶりに見て泣きました。 2011.5.8深夜
私は今年59歳になります。数日前、NHKのBSで山本監督と関根麻里さんが出ている予告を見て、この映画のことを思い出しました。50年前の子供のころに母親と一緒に映画館に行ってこの映画みたことを思い出したのです。小林圭樹さんが、駅から出てくるところで駅員に呼び止められたのに、耳が聞こえなくてトラブルになったシーンと、子供ができてその子の耳が聞こえるのを、やかんを叩いて確かめあって喜ぶ夫婦のシーンなどを鮮明に覚えていました。そこで、実に50年ぶりにこの映画を見ました。この年になると涙もろくなるのでしょうか、何べんも泣いてしまいました。子供のころにはわからなかった夫婦の愛情や、子供を持つことの意味などが、今回は胸に迫ってきました。電車の中で、別々の車両の前後の窓に向かい合って、手話をするシーンには自然に涙が出ました。夫婦の誠実な愛情を感じました。実にいい映画です。不朽の名作だと思います。後世に伝えたい逸品です。