外国の文献を購入する費用、今昔

令和元年(2019)629
信州上田之住人 太田和親

 現在の日本の国立大学図書館は、外国の学術雑誌を購入するのが困難になってきて、大きな問題になっています。このままでは大学の研究が続かないのではないかと危惧されています。それは、政府からの交付金が、ここ20年間毎年1%ずつ下げられて、国立大学が非常に貧乏になってきているところへ、外国雑誌が毎年高騰しているからです。ドル建てで購入しなければならないので、円安になると、益々、外国雑誌が買えなくなるのです。
 先日、中尊寺金色堂を見てきて、知ったのですが、奥州藤原氏は、平泉に、仏教文化を流布するために、仏教経典を当時の中国から大量に購入。その費用は金2トンで支払ったそうです。今のお金にしたらどれくらいでしょうか。現在の相場金1グラム5000円とすると、今のお金で100億円にもなります。900年前に、奥州藤原氏が、外国の文献を購入する費用に、100億円を使って、繁栄を築いたことに大変注目します。現在の日本は、外国の文献が買えなくなってきていて、日本全体の研究力が低下してきている原因になっていると思います。
 政府の円安誘導で、T自動車会社が、2兆円も利益を出しているのですから、円安で苦しむ大学図書館に少しは還元できないものでしょうか。T社から、全国の国立大学へ、毎年100億円寄付。夢のまた夢でしょうか。








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