母一人子一人の貧乏な家庭で、心にしみる少年の言葉

平成31(2019)429
信州上田之住人和親

(讃岐の少年)
まっちょりまへよ、ぼっきゃ、おっきょなったら、おかぁはん、らくにさせちゃるきん。

急に思い出した讃岐弁のこの台詞、皆さんわかるでしょうか?
讃岐出身者以外の方々にも分かるように翻訳すると、

(東京の少年だと)
待っていてください、僕は大きくなったら、お母さんを、楽にさせてあげますから。

(帰国子女の少年だと)
Please wait! When I will be grown up, I will make Mama live much easier.

ところが、大きくなって大学を卒業したこのヒロシは、高利の金融業者となり、わずかばかりの金をその息子から借りて返済できない年老いた母親にむかって、無情にも「今すぐ金を返せ」と怒鳴って言ったのです。

母は泣きながら言い返しました。「私は、お前が大きくなったら、私の老後の面倒を見てくれると信じて育てた。今、お前に借りたお金を返せというなら、お前に飲ませた乳の代金を今すぐ払っておくれ。」

少子高齢化する現代の日本で、大変身につまされる話です。
実は、この話、「今昔物語」に出てくる1300年前の奈良の話なのです。

同級生に皆さん、老後の生活を色々と考えてしまう今日この頃ですが、少なくとも高利貸しとオレオレ詐欺には、くれぐれも注意しましょう。


 出典は、「日本霊異記上巻第23話」と「今昔物語集巻2031話」








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