郵便(courrier)から電子メール(courriel)へフランス語の変化

2018年1030日 随筆
信州上田之住人 太田和親

昨日、最近買ったフランス語の本で勉強していたら、私の辞書に載っていない「courriel」という単語が出てきた。それには日本語訳もついていたので見ると「ご両親にメールを送りますか」という文章の「メール」という単語のフランス語訳だった。私のフランス語の辞書は、33年前に買ったものだが、その辞書には、極めて似た「courreir(郵便)」という単語は載っている。それで、このフランス語の本は、郵便(メール)というフランス語のつづりでrlを間違えて、「courriel(メール)」と誤植したに違いないと私は思った。しかし、今時日本語でメールと一般に言うのは、電子メールのことなので、ひょっとして、この単語、最近できたフランス語の単語で、私の古い辞書には載っていないのではないかと心配になり、ネットで調べてみた。

そしたら、案の定、フランスの国語審議会で決めた新しい単語で、courrielは電子メールを意味することが判明して驚いた。フランスでは、2003年からe-mailという英語を使うのは禁止され、これからは、courrielを用いなければならないと決まったそうだ。そのことを示す以下の記事が、ネット出ていた。

https://wired.jp/2003/07/22/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%80%81%E3%80%8Ee-mail%E3%80%8F%E3%82%92%E3%80%8Ecourriel%E3%80%8F%E3%81%AB%E8%A8%80%E3%81%84%E6%8F%9B%E3%81%88/

いやあ、フランスらしい。あくまで、フランス語の純潔を守る姿勢が貫かれている。

私が33年前の昭和60年(1985年)に買ったフランス語の辞書には、電子メール(courriel)のほか、パソコン(ordinateur portable)や携帯電話(téléphone portable)などの単語も載っていない。世の中、進歩というか、変わるものである。



>>目次に戻る