フランス語のparapluie(パラプリュイ:雨傘)から知ったこと

2018年719日 随筆
信州上田之住人 太田和親

 先日7/17のフランス語講座で、フランス人留学生のAさんから、非常に興味深い話を聞いた。その日のフランス語の教材にparapluie(パラプリュイ:雨傘)が出てきたが、この単語と発音、私もMさんも、なかなか覚えられない、言えない。そしたら、Aさんが、面白い話をしてくれた。

 パラ(para)は、英語ではavoiding(ふせぐ、よける)という意味です。プリュイ(pluie)は雨だから、parapluie(パラプリュイ)は、雨をよけるものという意味になり、雨傘を表すのです。パラ(para)は他にも使われていて、paratonnere(パラトネール)のtonnereは雷なので、この単語は「雷よけ」つまり高い所についている避雷針のことです。パラソル(parasol)は、太陽soleil(ソレイユ)をよけるものなので、日傘。パラバンは、(何度聞いても、Mさんも私もバカボンって聞こえてしまうのだが)、このパラバンはparaventと書くので、風(vent)をよけるもの、つまり、びょうぶ(屏風)のことです。

Parapluie    雨よけ  (雨)傘

Paratonnere  雷よけ  避雷針

Parasol     日よけ  日傘

Paravent    風よけ  屏風

 そうか、パラソルって、日よけのことだったんだ。私には、雨傘と日傘の違いがよくわかっていなかったので、この話を聞いて、非常に納得した。勉強はするものである。

 ここで、「びょうぶ」のことをふとよく考えてみた。私は、「びょうぶ」は衝立くらいにしか思っていなかったが、そう言えば「屏風」と漢字で書くと、確かに「風」に「塀」すると書いてあるように見える。「びょうぶ」って、風よけのことだったんだ。立派な虎の絵が書いてあったりして、なんでも鑑定団に出てきたりするので、装飾品のようなイメージが強かったが、本来、風よけの役目だったんだと改めて理解した。となると、屏風の意味は、フランス語のパラバン(paravent)と全く同じだなあと気がついた。

(追記)

2018年10月18日

私の7月19日の随筆に関連:1016日のフランス語の講義で、フランス語の先生から、paracheuteも同様に、落下(cheute)を防ぐ(para)ものという意味であるとの指摘を受けて、大いに感動しました。パラシュート(落下傘)て、フランス語だったんですね。

雨よけ、日よけ、風よけがあるんなら、雪よけも、あるんじゃないか。それで、フランス語でparaneigeとつづって、辞書やネットで調べてみた。私の持っている辞書にはなかったが、ネットではちゃんとparaneige(防雪(用具))が載っていた。おもしろい!もっとあるかもしれない!



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