大地の子に対す書込と反響

信州上田之住人
太田 和親  
20038-9

「大地の子」を観ましたか?
http://www.alachugoku.com/mbspro/pt.cgi?room=daichi
に対する書き込みとその反響です。

[77] 私の兄弟も「大地の子」のようになっていたかも      投稿者:Kazu    投稿日:2003/08/10(Sun) 18:14:24
  初めて「大地の子」を見て、毎晩感涙しています。残留日本人孤児陸一心と中国人養父陸徳志の血を越えた愛情に心を打たれました。高校生の娘(15歳)に「お父さん(51歳)毎晩泣いているね」とからかわれました。私の父は、今年四月に数え年で88歳で死にましたが、戦前満州で12年間住んでいました。新京(現長春)それからハルビン最後は牡丹江に住んでいました。中国人の方と会社を共同経営していました。中国語がぺらぺらで中国と中国人大好き人間でした。ソ連参戦の三日後(812日)に牡丹江の家を捨て、母と一緒に私の二人の兄を連れ、無蓋貨車で満州の大地を南下して帰国しました。満州と朝鮮国境の安東駅に815日午後2時頃着いた時、ホームで敗戦を知り誰彼無く抱きあって泣きました。もし815日迄に安東に着いていなかったら、私の二人の兄も「大地の子」のようになっていたと思うと、胸が詰まり他人事とは思えず、涙なくしては番組を見られませんでした。

[86] 書海さんのモデルの人に会ったことがあります      投稿者:Kazu    投稿日:2003/08/13(Wed) 20:18:03
  一心が、労改にいた時、大地を黒板にして、一心に日本語を教えた日本帰りの華僑、書海さんのモデルの人に会ったことがあります。書海さんとは出身地などが微妙に違いますが、彼も波乱万丈の人生を歩みました。
  彼は戦前台湾でいたので漢民族ですが、日本国人として陸軍砲術学校に入りました。その後大阪の大学で大学院に進み工学博士号をとりました。中国建国の時、祖国復興に燃えて同じ台湾出身の妻と一緒に確か昭和28年に中国本土へ渡り、北京のどこかの研究所に勤めていました。文化大革命の時、知識人であることや日本語が出来ることのためスパイ容疑で投獄され職場も解雇されてしまい、残された家族は小さなぼろアパートの一室に引っ越しさせられました。急に惨めな生活に転落させられたそうです。父のスパイ容疑のため、息子は高校生でしたが大学進学を認められず、将来を悲観して本当に何日も泣いたと言います。投獄された彼は2年後、余りのつらさに脱獄して、どこかで自殺しようとさまよい歩いていましたが、ふと道端にいた男の子を見て息子のことを思い出し、自殺を思いとどまって、自ら監獄に帰ったそうです。文革の10年で1400万人が刑死または自殺したと聞きました。1985年に久し振りに彼に会ったとき、山崎豊子さんが彼のことを本にするのだと言って取材されたと言っていました。彼はその後名誉回復され、のちに研究所長も務めました。現在はもう引退したと聞きました。彼の息子は日本に留学し?現在日中間貿易の貿易会社を日本で設立し経営しています。
  書海さんを見て、中国の激動の時代を私の友人の数奇な運命とともに思い出した次第です。


書海 > ハンドルネームに書海さんの名前をつかわせてもらっていますが、大変貴重なお話を書きこんでくださって感謝します。モデルがいらっしゃると「大地の子と私」に書いてありましたが、お知り合いの方だったのですね。 (2003/08/13(Wed) 21:33:33)

[102] 後世に語り継ぐべきこと   投稿者:Kazu    投稿日:2003/08/21(Thu) 00:29:57
  ソ連が昭和2089日に参戦した後、私の家族が何日に満州国牡丹江市を脱出したのか、調べたくてインターネットで検索しました。先日死んだ老父は脱出日は810日と云い、健在の老母は812日と云います。そこでインターネットでヒットした47件からうち次の5件が大変参考になりました。実例を見ると牡丹江を脱出する日づけが11日と遅れるほど、極めて悲惨な体験談となっており、悲涙なくして読了できませんでした。
http://www2.accsnet.ne.jp/~yuko88/t_contents.htm
http://www.genshu.gr.jp/DPJ/paper/1996/9602pr.htm
http://www.niigata-nippo.co.jp/kokusai/daichi/daichi0810.html
http://www.niigata-nippo.co.jp/kokusai/daichi/daichi0811.html
http://www.belltown.co.jp/town/culture/hakushiki/manshu/manshu_2.html
  最後のURLの中浦やえ子さんの文章は、特に涙で字が読めなくなる程の悲惨な例が書かれており、後世に語り継ぐべきことが多いと思いました。我が家族もおそらく1、2日違いでこうなっていたに違いないと思うと他人事ではありませんでした。是非、「大地の子」に御関心のある皆さんにも読んで頂きたいと思います。


[108] 無題       投稿者:S         投稿日:2003/09/05(Fri) 17:16:54
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[102]Kazuさんがおっしゃるように事実をありのまま後世に語り継ぐことが大切だと胸に刻む今日このごろです。



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